【IRの視点】高島屋(8233、2月決算)丸井グループ(8252、3月決算)の本質的なちがい
こんにちは、IHGsokenです。
https://www.finasee.jp/column/2982/
今回はこちらの記事を読んで、改めて百貨店業界について振り返ってみようと思います。
まず、業界の概況から見てみます。
コンビニはスーパーに肉薄し、ドラッグストアは百貨店を抜き、ECの伸びは別格(物販では10兆円) ということが改めてみて取れます。
百貨店業界において、色のある会社といえば、やはり丸井グループ(8252、3月決算)。クレジットカード事業に早くから参入し、金融事業でも稼いでいます。
そこで、今日は、高島屋(8233、2月決算)と丸井グループの違いをB/Sから見てみます。
まずは、2020年2/3月期の数値をもとに貸借対照表、通称BSを作成いたしました!
少し字が小さく見ずらい部分はご容赦ください…。。。
まず、財務諸表を読むときは膨大な数字に惑わされることなく、まずは森を見る!「木を見て森を見ず」になってはいけません。
そこで、この2社のちがいは何かと言えば、流動資産と固定資産のバランスが違うということです!
ここで、流動資産ってなんだっけ?固定資産に含まれる科目は何だったかな?と調べることも大事なのですが、調べていくうちに本質を見失ってしまうこともあります。
今回知りたいのは、金融事業で稼いでいる丸井グループと金融事業に参入したての高島屋では何が違うのか?その違いはBSにどう表れるかという一点に集中するべきなのです。
では、数値で確認してみると、「流動資産」:「固定資産」のバランスは、
高島屋:「流動資産」/「固定資産」=287,764 / 880,739=32%
丸井グループ:「流動資産」/「固定資産」=626,766 / 259,202=241%
実に8倍もちがいます!!!
ここにいたって初めて、両社の流動資産の内訳や固定資産の中身を精査していきます。
実は金融事業を持つ事業会社はたくさんあります。
それらのBSを手書きでも結構ですので、せっせと描くと、ある共通点が分かります。
それは、売上の大きさに対して、BSが大きくなるということです。
ある意味それは当然です。金融業とは、お金を融通すること。
資金を借入等で調達していく過程でBSが大きくなります。この辺りについても、具体的な会社で分析していくと財務分析が無味乾燥な数字いじりではなく、会社の中で働くひとの息遣いまでも想像できるものに変わっていきます。
それでは、お疲れ様です!