【IRの視点】トヨタvs日産 決算説明会資料を読んでみた(20/3期)
こんにちは、IHGsokenです。
「金融機関でのいくつかの業務経験と
事業会社でのIR業務やライフプランセミナー講師経験から
上場企業(みんなが株を買える)はどう自社をアピールするといいのかということを
考え続けておりました。
・資本政策はどうするのか?
・配当性向を何%にするべきか?
などなど経営陣からの問い合わせには正解はなく、
かといって直観に頼るだけでは、投資家との対話のためにも、
理論的背景について十分に理解しておかないと、
共通の言語で話し合うことができません。
いつの日かあるべきIRと投資家の関係性も考えてみたいと思いますが…。」
今回は、「決算説明会資料」に注目してみたいと思います。
「有価証券報告書」でも「決算短信」でもなく「決算説明会資料」。
「決算説明会資料」は発表する側の自由度が高いため、各社の色がより出るのではないか?という思いつきから始めてみようと思います。
ですので、厳密な決算数値を用いた財務分析等ではなく、
・何ページあるのかな?
・どんなフォントを使っているのかな?
といった角度からの決算分析です…。。。
【トヨタ自動車(7203)】
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/32486196.html
売上高国内最大の自動車メーカー。
2020年3月期決算を2020年5月12日(火)に発表されております。
白地のシンプルなPowerPointスライドにシンプルなゴシック体。
ページ数はわずか22ページ。
しかし、IRサイトは充実しており、豊田章男社長のメッセージも動画で視聴可能です。
タイトル「2020年3月期 決算説明会」
・連結販売台数(895万8千台)
・連結決算要約
・連結営業利益増減要因
・所在地別営業利益
・中国事業/金融セグメント(←金融セグメントだけで3,097億円も営業利益が!)
・株主還元:配当金(←配当性向は意外にも29.9%とそこまでは高くない)
・株主還元:自己株式取得
2021年3月期 見通し(IFRS)
・前提台数(連結販売)(←895万台から700万台に減少…)
・連結決算見通し要約(←29兆円から24兆円に減収…)
・連結営業利益見通し増減要因
・(ご参考)連結販売台数 (3ヶ月)(コロナ影響・連結販売台数 △127千台)
・(ご参考)連結決算要約(3ヶ月)(コロナ影響・売上高 △3,800億円・営業利益 △1,600億円)
・(ご参考)連結営業利益増減要因 (3ヶ月)
・(ご参考)所在地別営業利益 (3ヶ月)
・(ご参考)中国事業/金融セグメント (3ヶ月)
・(ご参考)業績推移
・(ご参考)前提台数
・(ご参考)販売台数について
続いて、日産自動車をみてみる!
【日産自動車(7201)】
https://www.nissan-global.com/JP/IR/LIBRARY/FINANCIAL/2019/
証券コードの下2桁が「01」のいわゆるゼロイチ銘柄。
こちらは、トヨタよりも少し多い26ページ。
タイトル「2019年度 決算報告」
・2019年度 販売実績
・2019年度 主要財務指標
・2019年度 財務実績
・2019年度 財務実績(←営業利益の増減分析グラフ)
・2019年度 財務実績(←営業利益の増減分析グラフ)
・流動性の状況
・2020年度 業績見通し
参考資料
・販売金融
・販売金融(ペネトレーション)
・販売金融(ネット・クレジットロスレシオ)
・販売記入(営業利益・資産)
・2019年度 販売実績
・2019年度第4四半期(3ヵ月) 販売実績
・2019年度第4四半期(3ヵ月) 主要財務指標
・2019年度第4四半期(3ヵ月) 財務実績
・2019年度第4四半期(3ヵ月) 財務実績(←営業利益の増減分析グラフ)
・2019年度 財務実績
・2019年度第4四半期(3ヵ月) 財務実績
・2019年度 財務実績(←FCF分析)
・2019年度 財務実績(←FCF分析)
・在庫管理
・事業セグメント別ネットキャッシュ
どちらの方が見やすいか伝わっているかというのは中々難しい判断となりそうですが、
セクター担当のアナリストの方は比較する数字を調整するのにも
大変な労力を割ているのではないでしょうか。