食品大手2社からヒントを得た「配当政策ってどうなるのだろうか?」(2/3)
こんにちは、IHGsokenです。昨日の続きで配当政策のあり方について書いてみたいと思います。
そもそも、なぜ配当政策が企業にとって重要かと考えると、配当政策が株価に影響を与えているからであるとも言えます。
また、なぜ株価が重要かと言えば、(従業員の視点から言えることは、)買収リスク低下のためには、買収防衛策の導入よりも株価を高く維持することの方がずっと重要だからです。
資本市場における流動性と労働市場における流動性はまったく異なり、株が売り買いされるように従業員も出たり入ったりすることは難しいのです。そう考えると、企業の最重要なステークホルダーである従業員を守るためには、「高株価政策」は経営の要中の要であると言えます。
また、配当と株価はある程度の「相関」関係はあると言えます。しかし、「相関」があるからといって「因果」もあるかは分からない。
では、両者に「因果」関係もあるのでしょうか?まず、事実(ファクト)の確認から。株価の本質を考えると、究極的には、売りと買いが同時に成立しているのが株価であると言えます。売ったり買ったりする人のことを投資家と呼びます。
では、投資家はいったい何故、株を売り買いするのだろう???
改めて投資家について考えてみます。
投資家の 4 つの投資スタイル
マッキンゼーによると、投資家は 4 つのタイプに分類できます。
ここから読み取れることは、配当政策を考える企業の立場からは、企業の本源的価値を探求する「本来価値への投資家」に注目すべきと言えます。
つまり、「綿密に調査し、少数の会社に多額の投資をする」タイプの投資家に投資してもらうことが大切なのです。
「配当政策」についてファイナンス理論では…?
次に、理論的には、配当についてどう考えられているかを確認します。
ファイナンス理論では、そのあたりのことを現実離れしたくらいシンプルに考えています。
「ROIC(投下資本利益率)と資本コスト(WACC)の比較で決める」ということです。
株主から資金を託されて事業をし、託された資金以上の大きさにして、一定期間後に株主に返すという建付けになっているので、「余剰キャッシュは株主に還元せよ」というのはファイナンス理論的にはまったく正しいのです。
しかし、ここには実務上の大きな壁があると感じます。
(次回へ続く)
参考図書は下記の3冊!
マッキンゼーのは第6版も出ていますので、そちらも要チェックであります。