IHGsokenの日記

中小企業診断士 兼 証券アナリスト による財務分析よりも手前の基本的な疑問点について考える

証券アナリストの視点で「年金の2000万円不足問題」をわかりやすく読む(2/3)

こんにちは、IHGsokenです。

 

前回からの続きで、「年金の2,000万円不足問題」を読んでいこうと思います!

2.基本的な視点及び考え方

長寿化に伴い、資産寿命を延ばすことが必要 

このあたりに批判が集まる原因ともなった根本があるようです…

しかし、実際に原本を読んでみますと、特別おかしなことは書かれておらず至極まっとうな内容となっております。

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想定される不足額に備えましょう…という内容

 

そして、ここでコラム的に【長期・積立・分散投資の有効性】について語られます。

 

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長期+積立+分散の威力は大きい

投資をする際には、リスクとリターンで考える必要があります。

リスクとは、値動きのブレですが、なかなかピンとこないことが多いのも事実です。

リスクをコントロールする手法として有効なのが、「長期・積立・分散」投資なのです。

 

「長期・積立・分散」投資が有効なのはなぜ?

 

なぜ、この手法が有効かと言えば、積立投資はバリュー投資を実践していると言えるからです。

バリュー投資とは?

辞書的な説明では、「現在の株価がその企業の利益水準や資産価値などから判断して割安にあると考えられる銘柄を買い付ける手法」と言えます。

簡単にいうと、ある「価値」を基準に、「価値」を下回る「価格」であれば安いと判断し、購入するという考え・投資哲学です。

しかし、投資に精通しているプロでも難しい価値をどう見極めることが出来るのでしょう?

資産価値が分からなければバリュー投資はできないかというと、そうではないのです。

例えば、毎月決まった金額を購入するケースを考えてみましょう。

資産価値が分からなくても、「価格」が安い時には、たくさん買うことが出来ます。また反対に「価格」が高くなっていたとしても、買う量は少なくなります。つまり、安いときにたくさん買え、高い時は少なくしか買わないという投資行動に結びつくのです。

つまり、「積立投資」という投資行動を通じて、「バリュー投資」という投資哲学を実践できるのです。

グロース投資とは?

つづいて、「長期」と「分散」について考えてみます。

資産の価格は長期的には「価値」に収斂していくと考えられます。ですので、長期的に見て、資産価値の成長するものに投資する必要はあるわけです。いかに、積立投資を実践しても、長期的に価値の減ってしまうものに投資をしていては、当然資産は目減りしてしまいます。

グロース投資とは?

「今後の成長性を評価して投資するというスタンス」

では、資産価値が長期的に成長するものは何でしょう?

ある業界ですとか分野に精通されている方で、その分野における長期的な予測に自信を持っている場合はそういった分野に投資をすることも一理ありますし、ご自身の納得感も高いと思います。

しかし、そういった知見がまだ少ない場合も多いと思います。その際、私がお勧めしているものは、10年以上伸び続けているもので、今後も10年・20年といったスパンで成長し続けそうな分野に投資をすることです。

その一つが世界全体のGDPです。個々の企業では業績にばらつきもあります。短期間で利益を求める投資の魅力も当然あります。(私自身、日計りで利益を上げたときの喜びはひとしおです。)しかし、老後の資金として考えた場合は、世界全体に投資をしてみるということが一つの答えになるかと思います。

世界全体に「分散」投資をすれば、「長期」的に世界全体の成長の恩恵にあずかれます。これは、まさにグロース投資の哲学と一致するのです。

 

以上から、「長期・積立・分散」投資は推奨されているのです。

 

次回に続きます。